SixTONESのメンバーとして音楽シーンを駆け抜ける一方で、俳優・アーティストとしても進化を続ける京本大我。
そんな彼がいま、「表現者」として新たなステージに立っている。
それは、ミュージカル『Once』の主演という大役だ。
ギターを抱え、歌いながら、芝居をしながら、観客の心に直接語りかける──決して飾らない「リアルな表現」が求められるこの舞台で、京本が見せたのは、華やかなイメージとは一線を画した、泥臭くて誠実な挑戦の軌跡だった。
“自己流”から“本気”へ─ギターとの再出発
もともと独学でギターに触れてきた京本だが、今回演じる役はただの「ギターが弾ける人」ではない。彼が演じるのは、失恋をきっかけに音楽の道を諦めかけたストリートミュージシャン「ガイ」。ミュージカル『Once』の中で京本は、生演奏と歌を織り交ぜながら計9曲を披露する。
ギターのテクニカルな要求レベルは高く、コード進行やリズム、ストロークすべてが“本職顔負け”の本格仕様。
「いざ話が進んで譜面を見たら、思ってたよりずっと難しくて……。正直、心が折れそうなことも何度もありました」
そんな彼の言葉には、シンガーとしての自信とは裏腹な、ゼロから学び直す覚悟がにじむ。
「伝わる音を」求めて──葛藤と支えの半年間
公演に向けた準備期間はおよそ半年。SixTONESのレギュラー番組『Golden SixTONES』の収録現場でも、メンバーが休憩する楽屋の片隅でひとりギターを練習していたという。
「1本目と2本目の収録の合間に急に演奏し出して、“ストリートライブ”状態に。うるさくて迷惑だったと思います(笑)」と語る姿からは、演奏の完成度を追い求める強い執念が見えてくる。
だが、ただ“弾けるようになる”ことが目標ではなかった。
「難しそうな演奏をしてるな、と思われたら負けだと思っていて。本当に大切なのは、音楽や物語がきちんと届くこと」
音楽監督やバンドメンバー、共演者の支えもあって、彼はそのプレッシャーに真正面から向き合った。テクニックの誇示ではなく、「伝えるために弾く」。そこに、アーティスト・京本大我の美学がある。
俳優・京本大我が立った新たなステージ
本作『Once』の舞台はアイルランド・ダブリン。主人公ガイと、チェコから来た移民女性ガールが音楽を通して心を通わせる、静かで美しい物語だ。
京本が演じるガイは、音楽への情熱を失いかけた青年。演じるうえで「繊細さ」「内に秘めた激情」など、微細な感情の表現が求められる役どころだ。
ガール役には、2021年にミュージカル『17 AGAIN』で舞台デビューした若手女優sara。父親役に鶴見辰吾、母親役に斉藤由貴と、実力派の共演陣にも囲まれるなかで、京本は“ミュージカル俳優”としての地力を見せつけている。
演出を手がけるのは文学座の稲葉賀恵氏。すべてのシーンに“意味”を宿らせるような繊細な演出を施し、そこに京本がどのように応えているかも大きな見どころだ。
音楽と芝居の“両輪”を磨き続けた舞台歴
京本はこれまでにも、数々の舞台作品で着実にキャリアを積んできた。
2021年にはミュージカル『ニュージーズ』で主演を務め、社会の理不尽に抗う新聞配達少年・ジャックを熱演。
続く2022年には、恋愛ミュージカル『シェルブールの雨傘』で繊細な感情表現にも挑戦。
また、朗読劇『HARUTO』や『流星の音色』では、“音楽”と“物語”の融合に独自のアプローチを見せた。
こうした経験の積み重ねが、今回の『Once』における演技とギターの融合に活きているのは間違いない。
共演者が見た「京本大我のリアルな凄み」
共演者たちも、京本の変化を肌で感じ取っている。
斉藤由貴はこう語る。
「SixTONESのイメージが強かったけど、『さよなら帝国劇場』の番組で歌う姿を見て、本当に“伝える歌”を歌う方なんだなと。あと、ギターが素晴らしくて。うちのマネージャーも『京本さん、ギターすごいですね』って言ってました。ここで代弁します(笑)」
この“伝える歌”という表現は、まさに本作のテーマとも重なる。舞台上の京本は、ギターを抱え、目の前の観客に真っすぐ心を届けようとしている。それは、「SixTONESのメンバー」という枠を超えた、“表現者”としての覚悟そのものだ。
表現者としての幅が着実に広がる、京本大我の“いま”
今回の『Once』で京本大我が見せた姿は、単に「ギターが弾けるようになった」「芝居が上手くなった」という成長の話ではない。
音楽と芝居、その両軸を一体化させながら“伝える”という本質的な表現に挑んだ姿勢こそが、表現者としての幅を大きく広げた。
京本が“表現者”として注目を集める背景には、これまでに積み重ねてきた数々の舞台経験がある。
『ニュージーズ』や『シェルブールの雨傘』では、主演として物語を牽引しながらも、作品に寄り添った繊細な表現力を発揮。
また、朗読劇『HARUTO』や『流星の音色』といった音楽と演劇を融合させた公演では、独自のアプローチが話題を呼んだ。
それらの挑戦が、今回の『Once』という作品において、ギターを通して“心を伝える”という難易度の高い表現を可能にしている。
ミュージカルファンにとっても、SixTONESファンにとっても、彼の姿はきっと新鮮で、どこか誇らしく映るはずだ。
「表現者」として、これから京本大我がどんな景色を見せてくれるのか──その一歩を刻む本作は、見逃せない一作になっている。
🔍京本大我にとって“音楽”とは何か?
京本大我は、グループ活動だけでなく、自ら作詞・作曲を手がけるアーティストとしても知られている。透明感のあるハイトーン、繊細で感情の乗った歌声。そうした魅力が、今回の舞台『Once』でも十二分に発揮されている。
しかし彼自身は、自作曲との違いについてこう語っている。
「自分で作るときは、弾きやすいコードに調整したりする部分もあって。でも今回は、初めてのコード進行に出会ったり、歌いながらこのストロークやるの難しいなって思ったりしました」
つまり今回は、"自分の心地よい音楽"を超えて、他者の楽曲をどう「自分の音」として表現するかという新たな挑戦があったのだ。
彼にとって音楽とは、“自分を見せる手段”であり、“誰かに寄り添うための言葉”でもある。舞台でのパフォーマンスを通して、その在り方がより立体的に、より深くなったように感じられる。
今後、彼が作る音楽、歌う歌、演じる役は、ますます奥行きのあるものになっていくだろう。『Once』の経験は、確実に彼の表現力に新たな彩りを加えた。
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