静かに、しかし確実に深化を遂げる坂本昌行の“今”
俳優・坂本昌行。アイドルグループ・V6のメンバーとして長年愛され、V6解散後も、以前から続けていたソロ舞台をさらに深化・進化させている彼が、今まさに「成熟した表現者」として脚光を浴びている。
その最新の挑戦が、現在出演中の舞台『MURDER for Two』。
ただの俳優ではない。歌い、演じ、弾き、踊る——すべてを一人でこなすマルチパフォーマーとしての存在感に、多くの観客が圧倒されている。
だが、彼がここに至るまでの道のりは、決して派手なものではなかった。
むしろ、静かに、着実に、自らの表現を磨き続けてきたその姿にこそ、坂本昌行という人物の真価がある。
V6解散後も止まらない挑戦——表現者としての“深化”
2021年、V6の活動に幕を下ろした坂本昌行。
それは単なる「終わり」ではなく、彼にとっては新たなスタートだった。
グループ活動を経て、個人としての俳優業・舞台表現へと舵を切った彼は、近年、ミュージカル・ストレートプレイ問わず多彩な作品に出演。
いずれの舞台でも、観客を“物語の中”に引き込む没入感ある演技力が高く評価されている。
とりわけ坂本の強みは、「音楽的表現力と演技の融合」にある。
ミュージカル俳優として培った確かな歌唱力、ダンスで培った身体の表現、そして経験を重ねた演技力が、すべて高いレベルで融合している。
坂本は、キャリアの後半に差し掛かった今もなお、進化を止めない。
「MURDER for Two」で証明された“多才の極み”
現在出演中の舞台『MURDER for Two』は、坂本の“才能の総合展示”とも言える作品だ。
この作品は、アメリカのオフ・ブロードウェイ発のサスペンスコメディ。
登場人物は13人だが、演者はわずか2人で演じ分ける。
衣装替えもない中で、小道具・声・姿勢・動きすべてを使って役を瞬時に切り替えるという、まさに“演技の極致”が求められる舞台だ。
さらに坂本は、ピアノ演奏も舞台上で行いながらストーリーを進行。
“歌って・演じて・弾いて・笑わせて”を同時にこなすという前代未聞のステージで、その持ち味を存分に発揮している。
演じるのは刑事志望の巡査・マーカス。事件の真相を追う中で出会う容疑者たちとのコミカルな掛け合いを、軽妙かつ濃密な演技で表現。
2人だけとは思えない重層的な世界観に、観客はあっという間に引き込まれてしまう。
共演者・演出家も舌を巻く、坂本昌行の底力
今回の舞台で共演するのは、海宝直人。舞台『レ・ミゼラブル』などで知られるミュージカル界の実力派だ。
そんな海宝でさえ、「再演でも新しい発見がある」「緻密な表現の積み重ねに驚かされる」と語っている。
演出を務めたスコット・シュワルツは、「坂本さんと海宝さんは、ただの俳優ではない。“エンターテイナーとしての完成度”が高い」と絶賛。
さらに、共同演出のJ.スコット・ラップも「彼らは“トリプルスレット”(歌・演技・ダンス)を超えた“4つの才能”を持つ稀有な存在」と賞賛を惜しまなかった。
坂本昌行は、周囲のプロたちが認める“本物の表現者”である。
今後の展望——円熟味を増すステージへの期待
舞台は現在、東京・多摩でのプレビュー公演を経て、全国ツアーを展開中。
東京・六本木を皮切りに、宮城、福岡、新潟、大阪、愛知と続くロングランだ。
その姿は、“ベテラン俳優”の枠に収まるものではない。
むしろ、坂本昌行は今なお挑戦者であり続けている。
演じることの喜びを、観客に伝えるために。
演劇の面白さを、もっと多くの人に届けるために。
坂本昌行という存在は、これからも舞台の最前線で輝き続けるだろう。
V6解散後の坂本昌行、個人活動の本質と変化とは?
2021年のV6解散以降、坂本昌行の活動は「静かな充実」を見せている。
テレビやメディア露出が減ったと感じるファンもいるかもしれない。だがその実、坂本は舞台という“生の表現”の場で、確実に実績を積み重ねている。
彼にとって舞台とは、「演者としての核」に向き合える場所だ。
一度として同じものがない“ナマの空間”で、観客と呼吸を合わせ、感情を交わす——その瞬間こそが、坂本昌行の求める表現の形なのだろう。
また、演出やプロデュース面への興味も徐々に表面化してきている。
過去には番組MCとしても定評があり、トーク力や空気づくりのうまさは、今後の新たなフィールドでの活躍を予感させる。
さらにファンとの距離感も変化している。SNSなどを使わずとも、“誠実な活動の継続”という形で信頼を築いてきた彼の姿勢は、むしろ時代に逆行しているようでいて、多くのファンにとっては心強い存在となっている。
V6のリーダーとして皆を支え続けたあの姿は今、
“一人の俳優・表現者”として、再び新たな物語を紡ぎ出している。
坂本昌行の今後の一歩一歩から、目が離せない。
上演情報プレビュー公演:2025年9月6日〜7日(東京・パルテノン多摩 大ホール)
- 9月11日〜 東京・EX THEATER ROPPONGI
- 宮城・多賀城市民会館 大ホール
- 福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール
- 新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
- 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
- 愛知・東海市芸術劇場 大ホール
坂本昌行、“唯一無二の表現者”として進化し続ける現在地とは?舞台で見せる驚異の多才ぶり
静かに、しかし確実に深化を遂げる坂本昌行の“今” 俳優・坂本昌行。アイドルグループ・V6のメンバーとして長年愛され、V6解散後も、以前から続けていたソロ舞台をさらに深化・進化させている彼が、今まさに「成熟した表現者」として脚光を浴びている。 その最新の挑戦が、現在出演中の舞台『MURDER for Two』。 ただの俳優ではない。歌い、演じ、弾き、踊る——すべてを一人でこなすマルチパフォーマーとしての存在感に、多くの観客が圧倒されている。 だが、彼がここに至るまでの道のりは、決して派手なものではなかった。
【口コミ・感想】『戸惑いの惑星』の評判、評価
「トニセン3人の管楽器の生演奏、安定の歌声。歌のメロディーもオーケストラの方の生演奏で感動した!」「伏線を回収していくところは推理小説みたいだった」「DVDにしようよ!戸惑わず買うから!お願いします!」 (©東京グローブ座 ) 公演中【2017年1月21日(土)~2月14日(火)】『戸惑いの惑星』とはメディアを超え、多彩な活躍をそれぞれに展開している坂本昌行、長野博、井ノ原快彦が舞台で共演するのは、2014年のブロードウェイミュージカル『ON THE TOWN』(ビル・バーンズ演出)以来3年ぶり
【口コミ・感想】坂本昌行『OMS ワンマン スタンディング』ソロミュージカルコンサート の評判、評価
「坂本昌行の魅力が全て詰まった、人生の様なコンサートだった!」「ピアノ+坂本昌行=最強か!!」「あの素敵な空間に居れて幸せでした!」 (©Quaras) 公演中【2016年2月5日(金)~2月7日(日)】 『ONE MAN STANDING』坂本昌行ミュージカルコンサートとは 2015年にV6としてデビュー20周年を迎え、ソロ活動では主演として数々の舞台・ミュージカルで活躍する坂本昌行が、満を持して挑む初のミュージカル・コンサート。 坂本自らがセレクトしたミュージカル史に残る名曲の数々を、本コンサートのた