宝塚歌劇団・宙組のトップスター、桜木みなと。舞台上では圧倒的な存在感を放ち、観る者の心を惹きつける実力派スターだ。その彼女が、2025年9月3日発売の雑誌『anan』2461号(スペシャルエディション)で初の表紙を飾った。
ブラックスーツに身を包み、前髪の下から射抜くような眼差し──。このビジュアルだけでも、彼女が今どんなフェーズにいるのかが伝わってくる。
だが、今回の特集で本当に注目すべきは、その表現の裏側にある「言葉」と「思想」だ。
この記事では、「anan」グラビア・インタビューの内容を手がかりに、桜木みなとが描く“理想のトップスター像”に迫る。そして、次回作への意気込みや、今の宙組に対するまっすぐな思いまで――。
一人の表現者として、今まさに“深化”を遂げている桜木みなとの現在地を、徹底的に掘り下げていく。
桜木みなと、「anan」初表紙で見せたトップスターの現在地
2025年9月3日発売の『anan』2461号スペシャルエディションにて、桜木みなとが初の表紙を飾るというニュースは、宝塚ファンの間でも大きな話題となった。
表紙のカットは、黒のスーツに身を包んだ彼女が前髪の奥から静かに視線を送る一枚。華美な演出に頼らずとも、そこにあるのは研ぎ澄まされたオーラと、確かな“説得力”だ。
グラビアページでは、
- 毛足の長いモノトーンニットで魅せる繊細な感情の揺らぎ
- 豹柄シャツ×ブラウンジャケットで表現されるワイルドな躍動感
など、一人の表現者としての“幅”と“挑戦”が、誌面いっぱいに展開されている。
だが、華やかなビジュアルの奥には、しっかりとした“思考”がある。
それは、インタビューで彼女が語った言葉たちから明らかになる。
“理想のトップスター像”とは──桜木みなとの美学と言葉
インタビューから見える価値観
『anan』誌面で桜木が語ったのは、トップスターとしての自覚、そして舞台に対する飽くなき情熱だ。
ananのインタビューでは、次回公演『PRINCE OF LEGEND』『BAYSIDE STAR』への意気込みや、理想のトップスター像について語られているとファン記事にも紹介されています。
一方、役と自身を重ねる表現の変化については、LEEインタビュー(2022年12月)にて「苦しいときほど成長できる」「苦労は買ってでもする」といった言葉を通じて、桜木さんの克己心や成長志向が窺えます 。
過去の自分との対話、そして“宙組”のこれから
桜木みなとはこれまで、繊細な青年役から力強いリーダー像まで、幅広いキャラクターを演じてきた。その中で彼女は、「過去の役柄」と対話しながら、自らの表現を更新し続けてきた。
トップとして組を牽引する立場になった今も、その姿勢は変わらない。
今回のインタビューでは、「宙組としての一体感」「次の世代にどうバトンを渡すか」についても言及。
そこには、“個”を超えた視野と、組全体を見渡す“温度のあるリーダーシップ”があった。
ビジュアルと内面が交差する、“現在進行形”の桜木みなと
グラビアでは“カメラを通して魅せる表情”がある。
一方、インタビューでは“舞台の上では見せきれない内面”が語られる。
この2つが組み合わさった時、初めて「桜木みなと」という存在の“多層構造”が見えてくる。
ananでの彼女は、決して「キメ顔」だけをしているわけではない。
微細な表情のゆらぎや、ふとした眼差しの変化に、「考える人」としての顔が見え隠れする。
“理想のトップスター像”とは何か──。
それはおそらく、ただ舞台で輝くだけでなく、「舞台の外でも何かを伝えようとする人間性」にこそ、宿るのかもしれない。
次回作『PRINCE OF LEGEND』『BAYSIDE STAR』への意気込み
桜木みなとが次に挑むのは、2025年の宝塚歌劇宙組公演『PRINCE OF LEGEND』『BAYSIDE STAR』
- 『PRINCE OF LEGEND』は、架空の“王子”たちが織りなすロマンティックな群像劇
- 『BAYSIDE STAR』は、ビート感あふれるエンターテインメントショー
いずれも、表現の振り幅が問われる演目だ。
それぞれでどんな表情を見せてくれるのか──。
ananで魅せた“多面性”が、この2作でどう舞台上に昇華されるのか、大いに注目したい。
読者の視点から見た、今の桜木みなとの“魅力”とは
読者や観客が桜木みなとに惹かれる理由は、「安定感」や「表現力」だけではない。
むしろ、
- どこか儚げで、
- でも芯が強くて、
- 知れば知るほど奥深く、
- 観るたびに“新しい顔”を見せてくれる──
そんな知的好奇心を刺激する存在感が、彼女の最大の魅力かもしれない。
今回のanan表紙&インタビューは、その魅力がぎゅっと詰まった“入口”としても、非常に秀逸だと言える。
桜木みなとの歩みと現在地をつなぐ“変化の物語”
桜木みなとが舞台に立つ姿は、以前から“凛とした佇まい”が印象的だった。
だが、トップスターになった今、彼女の表現は明らかに“進化”している。
かつては役に徹する姿勢が強く、役の中に生きるタイプだった。
しかし最近の桜木みなとは、「役を通して桜木みなと自身が透けて見える」ような、人間味のある演技を見せることが増えた。
この変化は、単なるテクニックの進化ではない。
人として、表現者としての“成長の物語”そのものだ。
雑誌で見せたグラビアの一枚一枚も、「ただ魅せる」から「何かを伝える」へと進化している。
視線ひとつに“責任”と“覚悟”が宿るようになった。
桜木みなとが描く“理想のトップスター像”は、まだ完成形ではない。
だが、その「未完成であり続けようとする姿勢」こそが、今の彼女の最大の魅力だ。
舞台に、雑誌に、言葉に、表情に──。
あらゆるフィールドで自分を更新し続けるその姿は、まさに“現在進行形のトップスター”そのもの。
これからも、彼女がどんな景色を見せてくれるのか。
その一瞬一瞬を、ファンとして、観客として、見逃さずにいたい。