
なぜ今、『oasis』なのか
2002年に公開された韓国映画 oasis(監督:イ・チャンドン)は、社会から疎外された若者と障害を抱える女性という、あまりにも過酷でタブーに近い状況下で芽生える“純愛”を描き、多くの観客に衝撃と共感を与えた作品です。
あれから20年以上――このたび、同作が日本で舞台化されることになりました。なぜこのタイミングで? 「映像」ではなく「生身の身体」で再び問い直す価値が、今の社会にあるからだと思います。
公演概要
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公演は、2026年3月から4月にかけて、東京・大阪・愛知の3都市で順次上演されます。東京は 3月14日〜30日(サンシャイン劇場)、大阪は 4月4日〜12日(森ノ宮ピロティホール)、愛知は 4月17日〜19日(東海市芸術劇場)です。
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脚本・演出を務めるのは、劇団「□字ック」の 山田佳奈 。映画を尊重しながら、“舞台ならではの表現”で物語を再構築することを宣言しています。
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主人公・ジョンドゥ役には、丸山隆平(SUPER EIGHT)が抜擢。共に心を交わすコンジュ役には、世界的に活躍するダンサー/俳優の 菅原小春。また、多数の実力派俳優たちも共演。
原作映画『oasis』を振り返る ― その衝撃と今なお刺さるテーマ
映画『oasis』は、前科者の青年と、脳性麻痺を抱える女性――社会や周囲から理解されない二人が、孤独と偏見の中で出会い、唯一無二の“愛”を育んでいく姿を描いた作品です。
公開当時、衝撃的な内容とリアルな描写で、観る者に強い印象を残しました。2002年の 第59回ヴェネツィア国際映画祭 では監督賞、新人俳優賞、批評家賞などを受賞。社会の底辺で生きる人々の光と闇、孤独と救い、愛と絶望――そうした普遍的なテーマを真正面から描いた作品として高く評価されています。
しかし、その過酷さゆえに“観る者を選ぶ映画”とも言われました。「障害」「偏見」「差別」「死」――安易なハッピーエンドは存在せず、現実の冷たさと優しさの両面を突きつける物語。それが、公開から二十余年を経ても、観客に忘れられない記憶を残す理由です。
舞台化の意義 ― “映像ではなく、生身の身体で”伝えるという挑戦
映画という“スクリーンの向こう”の世界ではなく、舞台――つまり観客の目の前で、“ライブ”として展開されるこの物語。これはただの再現ではなく、まったく別の表現として成立しうる試みだと思います。
特に、菅原小春という身体表現に長けた演者を起用したことで、「障害」「差別」「偏見」といったテーマに、“身体性”という新たな深みが加わるはずです。映像ではどうしても伝えきれなかった「空気」「間合い」「呼吸」が、観客とともに交錯する舞台だからこそ生まれる感情――それを期待せずにはいられません。
また、“日本で再解釈される『oasis』”という意味でも重要です。原作映画が持っていたメッセージは、そのままでは日本という社会・文化において“ズレ”を生む可能性があります。一方で、脚本と演出によって日本の観客の文脈に合わせ直されれば、新たな問いかけや共感の機会になるでしょう。
注目ポイント ― 観る前に押さえておきたい3つの視点
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丸山隆平の挑戦 — ただの“アイドル”や“俳優”ではなく、「救いのない青年」「前科者」をどこまでリアルに生きるか。その覚悟と身体の使い方に注目。
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菅原小春の身体表現 — ダンサー出身というバックグラウンドをどう「演技」に落とし込むか。「障害」と「夢想」のあいだで揺れるコンジュをどう描き出すか。
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日本版『oasis』の意味 — 韓国の2002年という時代背景から離れた今、この物語がどのように“日本人”に響くか。差別や偏見、孤独の捉え直しになるか。
観劇にあたっての覚悟 ― ただ“涙を流す”舞台ではない
『oasis』は、エンタメではありません。安易な感動や幻想ではなく、生々しい現実と対峙する物語です。観客それぞれが、自分の価値観や社会観と向き合う覚悟が必要になるでしょう。
だからこそ、“ただの恋愛劇”ではなく、“問いかけの場”としてこの舞台は意味を持つはずです。生きること、愛すること、何が正しいのか――観終わったあと、きっと静かな余韻とともに、大きな問いが心に残ると思います。
“再び見る”価値のある『oasis』という問い
世界的名作として評価された『oasis』が、日本で今、舞台として蘇る。このこと自体が、ひとつの意味のある事件だと思います。映像の持つ力、舞台の持つ力、そして“身体を持つ人間”が演じるリアル――それらすべてが混ざりあうことで、原作では描ききれなかった「深み」や「問い」が浮かび上がる可能性があります。
観劇するかどうか迷っているなら、ぜひ“心の準備”をして足を運んでほしい――それがこの作品に対する、私の素直な思いです。
“許されざる純愛” 丸山隆平 × 菅原小春『oasis』日本上陸 — 映画の衝撃を舞台で再び
なぜ今、『oasis』なのか 2002年に公開された韓国映画 oasis(監督:イ・チャンドン)は、社会から疎外された若者と障害を抱える女性という、あまりにも過酷でタブーに近い状況下で芽生える“純愛”を描き、多くの観客に衝撃と共感を与えた作品です。 あれから20年以上――このたび、同作が日本で舞台化されることになりました。なぜこのタイミングで? 「映像」ではなく「生身の身体」で再び問い直す価値が、今の社会にあるからだと思います。 公演概要 公演は、2026年3月から4月にかけて、東京・大阪・愛知の3都市で ...
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