「ものすごい緊張感で観客を3時間引き付け続ける構成と演技力!」「舞台の隅から隅まで張り詰めた空気、計算しつくされた演出!」
(©Bunkamura )
公演中【2016年10月7日(金)~10月30日(日)】
舞台『るつぼ』とは
『セールスマンの死』『橋からの眺め』など今なお世界中で人気の高いアメリカの大劇作家アーサー・ミラー。その代表作『るつぼ』がシアターコクーンに登場する。演出を担うのはイギリスの人気演出家ジョナサン・マンビィ。
下敷きになっているのは17世紀アメリカで実際に起きた「セイラムの魔女裁判」事件。突然何かに取り憑かれた少女たちが、住民を次々と〝魔女〞だと告発していく。背景には一人の少女の歪んだ恋心が潜んでいたが、人々の間に広がる疑心暗鬼、渦巻く欲望と不安、熱に浮かされ〈るつぼ〉と化す集団心理の恐ろしさを余すところなく描いた傑作だ。
広田敦郎による新訳を得て、キャストも豪華かつスリリングな顔ぶれが揃った。少女に翻弄される男に堤真一、その妻を松雪泰子、魔性の少女に黒木華、正義を信じる牧師に溝端淳平と、この濃厚にして心かき乱される戯曲の世界を描き出すのにふさわしい布陣である。
ミラーは本作を当時アメリカに吹き荒れた反共産主義運動〈赤狩り〉の嵐に対する痛烈なアンチテーゼとして描いたが、「この 物語はいつの時代でも当てはまる。敵はいつも内にいて我々の心の淵に巣食っている」とも語っている。手に汗握り、自分自身の心の暗闇を覗き込むようなヒリヒリする観劇体験を味わいたい。-Bunkamura -
舞台『るつぼ』を観た人の感想、評価、口コミ
芸術は無意識に現代社会を反映するという。今日本で上演される自体、日本の危さに対する警告ではなかろうか?など、様々なことを考えさせられる3時間だった。
シアターコクーンにてジョナサン・マンビィ演出『るつぼ』観劇。やっぱり新国立で上演されたのと比べてしまう。あのとき背筋が凍った衝撃は忘れられないから。 美術、照明、アビゲイル少女軍団の狂気に満ちた振りつけ(エリザベートのゾフィー軍団を思い出した)が効いていた。音楽もおもしろかった。
アーサー・ミラーの戯曲をジョナサン・マンビィが演出。第1部1時間35分、第2部1時間25分の長丁場で集中力が続くか心配だったが、第1部の終盤から最後まで手に汗握る展開で、あっという間。特に堤真一演じるプロクターの最後の決断には涙、涙。
「るつぼ」観てきました。アーサー・ミラーの作品を上手い演出家とピタリと嵌った役者で観られた時に感じるどうしようもないやるせなさと嫌悪感に包まれた(最大限に褒めてます)集中しすぎて疲労困憊。あの救いのない物語を連日演じる役者さんたちに拍手。今年観た中で最高傑作かもしれん
「るつぼ」。 東京に行ったら、コクーンに寄らずにはいられない。 ジョナサン・マンビィの演出が鬼良い。日本人にはできひん、これは。 芝居を少しでもかじった人間は、この戯曲に出会うべきやと思う。
シアターコクーン「るつぼ」、暗くて重みがあってずしんときた。 光と影の使い方が巧妙でまた少女たちの不思議な動きには一種の不気味さがあった。演者の動きが最小限に抑えられていているからこそ誰かがちょっと動くだけでその意味を考えちゃった。
印象的だったのはヘイル牧師を演じる溝端淳平。脇役が多い映画やドラマと違い、若く誠実で清らかな心を持ったヘイル牧師を、声や台詞や全身から発していて、登場人物全ての中でも、一番清廉潔白な第三者的な存在を体現していた。舞台が向いている役者なのだなと思った。
シアターコクーンで『るつぼ』観ました。 以前やった思い入れのある作品。やっぱり化け物みたいな戯曲でした。黒田育世さんの振付、良かったなぁ。
この芝居は自分でも取り組んだ事があり、俳優としてありたい気持ちを強く持たせてくれた作品。そんな作品をあんなに豪華な俳優陣と共演している彼女をみるのは、とてもいい刺激になりました。
シアターコクーン『るつぼ』。たいへんおもしろかった。1953年に書かれた戯曲ながら、現代社会の諸問題と照応する物語を追ううちに、いつの間にか崇高な宗教画を観たような気分に。
るつぼ。新国立で観た印象と違ってた。 ザラザラした麻袋の手触り。神様に祈りを捧げているのに、神様が一切いない感じ。 アビゲイルは女だった。少女でなく、女としてジョンを求めた。 新国立のアビゲイルは、幼かった。だから、セイラムから逃亡した後に彼女にも救いを願った。
「るつぼ」観劇。演出違いの同名舞台の感想や粗筋読んで、さては重いゾと仕事休みの今日にした。 観ているうちに役者が演じてるとか忘れた。皆んなその役のその人そのものだった。一緒に苦しんだ。観終わって今。何かをやり遂げた守り抜いた不思議な達成感… 一度観て忘れられない舞台をありがとう
シアターコクーンで「るつぼ」を観劇。形や背景は違えど世界中であのような事は起こってきて、現在も起こり続けている。人の心は時に恐ろしい兵器に変貌する。正義を掲げるのも、歪めるのも人間。事実とされる事が真実ではない現実が往々とある痛ましさ。
「るつぼ」をシアターコクーンで観てきました。 難しい題材を好演されていた出演者達に、ただただ圧倒されました。
舞台『るつぼ』の余韻がとてもいいからか、すこぶる元気!(笑)帰ってからじっくりとるつぼのパンフレットを読みたいと思います🎵チラッと読んだら、すごくいいの!
気になったのは台詞を言う人以外、棒立ちの人々。ダンフォース副総督を演じる小野武彦さんはそういう場面でも若干、動いていたけれど、他の人は直立したまま。台詞の邪魔をしない意図の演出かもしれないが、映画や現代劇では、何かしら動いているので、なんだか見慣れなかった。
堤真一×黒木華×松雪泰子×溝端淳平「るつぼ」の舞台を観てきた。芝居のライブ感は圧倒される。同じ場所で12月からは、小泉今日子主演舞台の「シブヤから遠く離れて」が上演。舞台は俳優の真骨頂とも言えるし、のんちゃんがいつの日か舞台出演できるといいね(^^)
堤さん主演の舞台『るつぼ』 、出演者が皆さん芝居上手でもし迷っている人がいたらぜひ見てほしい!堤さんの最後のお芝居は本当に見てほしい(≧▼≦)
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舞台『るつぼ』観劇。
同じ事務所の溝端淳平さん出演です。
信じることは綺麗なようで真っ黒で、真っ黒なゆえに綺麗だったり、静かに透き通ったり、激しく燃え広がったりする。
女は怖いのよ、そうなの… https://t.co/VMDC5fJtI4— 岡本玲 (@okarei_official) 2016年10月9日
舞台『るつぼ』の溝端淳平さん!ファンとして誇らしくなるくらい、素晴らしいお芝居でした!!よく通る声!滑舌の良さ!他のキャストの皆さんとのお芝居の絡みの濃密なこと!!ラストの何が正しいのか悩んでいくお芝居のひとつひとつの表情がいい!!ラストの見せ場から涙が止まらなかったです!
舞台『るつぼ』観劇!なんて、濃密な3時間15分なんでしょう!一言では言い表せないくらい、素晴らしく、観入ってしまいました!堤真一さん、松雪泰子さん、黒木華さん、溝端淳平さん、他の皆さんの素晴らしいお芝居だったこと!ラストのシーンに向けて、涙が止まらなかったです!
るつぼ。新国立版恐し過ぎてトラウマレベルに。ちょっとは耐性もついたかと思ったけど、いやいや、無理ー。ホントこれだけ登場人物に嫌悪感を抱く本もないわー。尊厳とか愚かさなんて言葉で片付けられないどす黒いものがズシリと。コクーン版も手堅いキャスト陣であった。
コクーンで「るつぼ」観た。私は無宗教ですが現代社会にも通じるところがあるなーと。盲信(思い込み)によって真実が真実と見えなくなり嘘を真実と言ってしまうような。
舞台『るつぼ』観劇。単調な単調に1幕で降り積もった台詞が、2幕目に響いてくる。身震いする程ゾッとして、でも胸の、魂の奥底にボッと火を灯された感じ。
「るつぼ」のカーテンコール。私はちょっとくらい不満の残ったお芝居でも、カテコで拍手をためらった事なんか無いんだけど、昨日初めて拍手したくない❗って言う感情が押し寄せてきた。性格に言うと、「拍手したくない人物を演じた彼女等、彼等」へ。つまり、それくらい凄まじい舞台だった。